行きましたね。
というわけで、コロナ禍以来、初めての東京。
6年ぶり? ま、そんなとこ。禍中も、横浜まではこわごわ何度か出かけてはいた。根岸線でさらに桜木町とか関内までは。しかし、東京となるとやはり恐怖の対象。特段、用もなかったし。
そもそも15年間、職場はというと東京だった。傾く業界に見切りをつけると同時に遠距離通勤にも嫌気がさし、地元企業に職を得た。以後は、たまに日比谷あるいは代々木でイベントだとかライヴとか、たまに銀座周辺で映画だとかお買い物。その程度の用しか東京にはなかった。
それが今回、なぜに東京まで出かけたのかというと、1年ぶりに妹と会うためだった。前回、彼女と会った時の顛末はこちら。あの時も電車が止まって時間に遅れてしまったが、今回もまた止まった。
だいたい東海道線てば営業距離が長すぎる。遠くの事故でも、その影響でずるずる遅れる。もっと気に入らないのは、今や下りの始発駅が東京ではないことだ。昔はラッシュアワーでも、1本見送れば座って帰ることができた。今、やってくる電車にはすでに乗客が乗っている。見送ったところで、運がよくないと座れない。
というような話をしたかったわけではなく、そうそう、妹とのデートであった。まー、デートといってもよかろう。兄妹の関係であっても。ふたり足したら130歳になってしまうとしても。いや、足したくないし、そもそも数えたくもないのだが。
待ち合わせは大丸入り口。長らく使っていない駅なので、銀の鈴がどこだったか忘れていた。大丸なら改札出てすぐ。都内在住とはいえ、せいぜい北千住あたりでうろうろしている妹にだってわかろうというもの。落ち合ったら、そのまま上の階にて食事。
食後のコーヒーは八重洲地下、どこか適当にと考えていたら甘かった。数少ないコーヒー屋は、どこもかしこもセルフばかり。昨今、どこ行ってもそうか。しかし以前、神戸、新長田に行った時、数軒おきに昔ながらの喫茶店があったのはうれしい驚きだった。
などと懐かしんでいても仕方がない。注文を聞きに来てくれて、コーヒーを運んできてくれる店を求めて、ぼくらはちょっとした難民だった。妹だから一緒に歩いてくれているが、これが初見の女性だったら途中で帰られてしまうだろうし、二度と会ってもらえないだろう。
なんとか希望に沿う店に落ち着いた後は、八重洲からぐるりと回って丸の内、赤レンガ造りのいわゆる東京駅正面。妹は丸の内駅舎を初めて見たそうだ。多くの修学旅行生らに混じってしばし撮影。ここでは皆一様にお上りさんのようである。
その後はKITTE。この時期、ここのクリスマスツリーが見ものだっつうんで、妹と別れた後にひとりで訪ねるつもりが、彼女も同行するという。1階から撮り、5階から撮り、4階から撮り、しつこく3階からなおも撮る。

最後にもう一度大丸まで戻り、家用の土産など買って帰るつもりでいたら、それにも同行すると妹。やぶさかではない。ぼくらは仲よし兄妹なのかもしれない。大丸手前でふたりして赤福餅を買い(ほら、仲よし)、あとは各自勝手にお買い物、今度はお彼岸にでもと別れたのであった。
というわけで、赤福。日本土産に虎屋の羊羹などもってのほか、持ってくるなら赤福にしろと意味不明な怒りをぶつけ、ずいぶん叩かれていた自称海外駐在員の妻とかいう人がいたなぁ、そういえば。赤福は日持ちしないので、当日と翌日とでぼかぁすっかり平らげた。……え、自分用の土産?







