さよならダウントン

公開初日、朝一番の回から観に行ってきた映画は「ダウントン・アビー/グランドフィナーレ」。吹替え版を観たかったのだが、どこも字幕版しかやっていない。ぼかぁ、メアリーといえば甲斐田裕子じゃないとアカン派だ。バイオレットが一城みゆ希でないとダメだったように。まー、バイオレットにはもう出番はないのだが。

最初のシーズンから、一貫してメアリーが好きだった。妻は嫌っていたけれど。理由はわかる。気位は高いし、辛辣だし、傲慢だし。でもなー、貴族の長女だで。高飛車に決まってますやん。それがちょっとしたやさしさや弱さを見せるところが、ぼかぁ好きでしたな。それがまた、甲斐田裕子の声とようマッチしてますのや。って、なんやねん、この口調。

この日は朝から電車止まってて、それは最初山手線とかいっていたのが、いつの間にか東海道線の一部に広がり、ついには東京熱海間不通となっていた。隣街の映画館まで行くのにぼくが電車ではなくバスを利用しているのは、バス停がうちの裏手にあるからなのだが、そうして着いた隣の駅には、やはり人があふれていた。

通勤通学に難儀しておられるところ、誠に申し訳ございません。ぼかぁ、朝から映画観に来ました。平身低頭する思いで、南口から北口へと駅舎を抜ける。改札前は人だかり、周辺の喫茶店はどこも満員、登校をあきらめたらしい高校生はあらぬ方向へと歩を運ぶ。焦る人、のんきな人。ちょっとした人生の縮図、群像劇。

「ダウントン・アビー」は、おそらくぼくが一番好きな海外ドラマといっていいだろう。といって、他に思いつくのは、せいぜい「アリー my Love」とか? 思いっくそ古いところで「可愛い魔女ジニー」とか? いや、「アリー」も十分古い。「ゲーム・オブ・スローンズ」は相当夢中になったけれど、海外ドラマ枠に入れるのはちがう気が。あと、韓国ドラマも。

思い出すのは11年前の入院中、消灯後ながら同室者がいないのをいいことに、「ダウントン・アビー」だけはしっかり見ていたことだ。見回りの看護士さんには早く寝るようにと言われたが、テレビを消せとは言われなかった。それをいいことに最後まで見た。あかんやろ、ホンマは。

というわけで、テレビドラマとして6シーズン、映画として3作め、これにてシリーズ完結となる今作は、往年のファンにはなかなかに味わい深いものだった。バイオレットを偲ぶことは、すなわちマギー・スミスを悼むことであり、肖像画にもテロップにもぐっとくるものがあった。

回想される若きメアリーとマシューの姿にも息がもれた。反発しあっていたふたりが惹かれあっていく過程に、すっかり没入していた記憶がある。感情移入していたようだ。とにかくぼくはメアリーが、そして甲斐田裕子の声が好きだったのだなぁと改めて思った次第。てなわけで、さよならメアリー、さよならダウントン。

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