散っても桜、義理でも娘

花見話はその日のうちに。
せめて翌日にはしておかないと。
とは思いつつ、ジム行き、昼寝し、ハングルし、
時に仕事し、韓ドラ観てたら、そら書く暇ないわいな。

というわけで、金曜日の夜になって書く水曜日の話。
小田原城に行ってきた。花の盛りは過ぎたけど。
まだ大丈夫。まだ見頃。桜吹雪も花筏も楽しめる。

混まないうちにまず腹ごしらえ。
隣のフランス人シニアカップル、お刺身だとか天ぷらだとかを食べていたのが、ぼくのあじフライ定食をガン見。店員さんを呼んで、同じものが欲しいと言ってる。

いや、実際はなに言ってるかわからないフランス語。まー、そういうようなことを言ったんではないかと。そうか、あじフライが食べたいのか。すっげえデカくて肉厚だもんな、これ。と思っていたら、出てきたのはキャベツ。フライの横に盛られた千切りキャベツ。そうですかあなた、キャベツが好きですか。いいねいいね、フランス人。

そんなカップルとハバナイスデイと別れて、いざ小田原城。
やっぱ絵になる桜と城。天守閣はもちろん、橋も、お堀も、石段も。
さらにここでは人々も。
美しくって、清々しくて、楽しくて。また来たいとぞ思ふ。

北条五代祭りがある5月にまた行きたい。
以前に行った時の武者行列は、北条早雲役が阿藤快だった。どんだけ昔? えー、もう10年くらい前? 柳沢慎吾は誰役だったっけ。高嶋政伸や市川姉弟らとともに今回も出るらしい。ううっ、見たいぞ、市川ぼたん。

桜の頃、藤の頃、紅葉の頃。ほとんど毎年、小田原には行っている。そのたび、ここに住みたいとマダムは言う。いい街だなとぼくも思う。散歩の行き先に困ることは絶対ない。買い物にも外食にも困らない。まー、駅近ならの話。小さいながら映画館も新たにできたし。

映画といえば。
あいや、映画というか、映画館で観た今年の6作めはゲキシネ。純粋な映画ではないな、これ。芝居を映画風に編集したもの。今回は「天號星」。劇団☆新感線。
主役は古田新太ではなく、ほとんど早乙女太一のようだった。かっけー。弟の早乙女友貴も惚れてしまいそうないいい男。

結局2回、ぼくは泣いた。ありえない設定にありえない展開、お涙頂戴でクサいクサい。なのだが、泣かせどころできっちり泣かされてしまう。心得ている向こうが憎いのか、まんまとハマるこちらが感激屋さんなのか。舞台とちがってキメが大写しになったりするから、さらにぐっときてしまうのだ。

主人公にはふたりの娘がいる。ひとりは義理の、ひとりは偽(少し前まで実の娘だと思っていた)の。そんなふたりを守り、かばった末に主人公は高らかに言う。
「義理でも偽でも娘は娘だ」。

ところで、ぼくが父親になったのは息子が5歳の時だった。
その息子が明日、父親になる。