あの頃、写真が楽しくなってきた

猫の写真に特化したブログを18年続けている。
さぞかし写真が好きなのであろ、さらにはカメラが好きなのであろと思われているかもしれないが、文章主体のこちらのブログでは、写真についてもカメラについてもまだ述べたことはなかった気がする。

なぜか。ぼくが好きなのは猫であって、たぶん写真ではないからだ。だから、猫を撮っているとは言えても、写真を撮っているとは言いづらい。カメラについてはなおのこと。

というか、写真について、カメラについて語る人たちがぼくは苦手だ。写真は写すもの、カメラは撮るもの。どちらも語るものではない。立場を変えると、写真は見るものであって、その撮り方だとか道具だとかについては別段。個人の感想です。

さぁ、そんなぼくがだ。ここで初めてカメラと写真の話をするぞ。
あいや、カメラと写真について語るふりして、自分語り、思い出話ばかりしそうな気もするが。とにもかくにも、始まり始まり。

職場の先輩が楽しそうにしているのを見て、つられて買った初めてのデジタルカメラはわずかに35万画素。それでも弁当箱のようにデカい先輩のに対し、ぼくのは手のひらサイズ。後から買った方がエラそうにできるとはいえ、四半世紀後に披露するのははばかられるほどの写り。プリクラ風シールがお似合いだった黎明期。存命だったうちの猫。

程なく100万画素に買い換えた。これをば持って、ぼくは北海道へ単身赴任するわけだが、せっかくの景色、もうちょっと撮りようがあったろうと今は思う。社宅から旭川へ向かう途中に位置した神居古潭。廃線となった線路跡や駅舎、雄大な石狩川。心惹かれる風景ではあったが、写真というものに対する思い入れがぼくにはまだなく、ただ珍しいからカメラを向けてみただけ。近くの無人駅もそのひとつ。

カメラを買い換えたのは翌年、本社工場に戻ってしばらく後、妹の海外旅行時の写真を見せられたのがきっかけだった。え、最新のデジカメってこんなによく写るん? ズームってこんな何倍にもなるん? そうして手に入れた光学10倍ズームレンズ付き350万画素カメラのせいで、がぜん写真を撮るのが楽しくなった。

なにを撮っても面白かった。空を撮り、海を撮り、花を撮り。フィギュアを撮り、鳥を撮り、江ノ電に乗っては鎌倉を撮り歩いた。名越、朝比奈、化粧坂。切り通しが大好きだった。当時は釈迦堂もまだ通行可能だったのだ。

こうした過程で気がついた。海岸には猫がたくさん住んでいる。すごくたくさん住んでいる。ぼかぁ、猫が大好きだ。撮影対象がそこに絞られていったのが2004年だか2005年。当然、この話はまだ続く。