金、土、日の炎天下

金曜日、またも鎌倉。炎天下。
お食い初めのためにお借りした歯固め石を返しに鶴岡八幡宮。
もっと涼しくなってからでもいいんじゃないかという、至極まっとうな意見もないではないが、この時期ならではの蓮の花を見ておきたい気持ちが強かった。だもんで、花が閉じてしまわないように朝から出かける。

ほとんどの店はまだ開いていない。まばらだった人影は八幡宮が近づくほどに増え、そりゃまぁ、小町通りにゴミ回収車が走っているような時間じゃ他に行くところもないし。そして、肝心の蓮はといえば、思ったほど壮観ではなくて。すでに盛りは過ぎていたのか、あるいは不忍池にでも行った方がよかったのか。いやいや、目的は蓮ではないし、ついでだし。

土曜日、またも炎天下。訪ねた先は桜木町。
家族ふたりで営む零細出版社、星羊社が手がけるブランド、猫印ミルクのトートバッグの再入荷を知り、矢も楯もたまらず出かけてしまう。したらば、横浜駅ホームにて、そこかしこにバスケユニフォーム集団。胸にはTWICEの文字。日産スタジオでのライブに行く子たちだった。

そういえば、うちのレミちゃん、息子の妻、孫の母もこの日、Kアリーナでのジェジュンのライブに行くと言っていた。育休中の推し活。素敵。大いに楽しみたまえ。ちなみに、彼女は韓国ドラマ「トッケビ」のロケ地を訪れたこともあるそうだ。ぼくにはLINEで、ハングルスタンプを添えてくれる人でもある。うれし。

桜木町に着いても、TWICE部隊は三々五々。横浜スタジアムに向かう人たちもそれとわかる。だが、ジェジュンに行く人たちがどんな出で立ちなのかはわからない。つうか、野毛方面に進むぼくとは方向ちがうし。めざす星羊社は、昼飲みを楽しむ圧倒的多数の人たちを横目で眺める先にある。南の空には、もんもんもこもこ入道雲。

はっぴぃえんどを聴くと、というか、彼らの曲が頭の中で再生されると、ぼくは一気に高2の夏に引き戻される。光化学スモッグ警報が発令される中、校庭を走っていたあの頃。『風街ろまん』はまだ持っていなかったが、しばしばラジオで流れていたのは「風をあつめて」と「夏なんです」。後に大瀧派に転じるぼくも、この頃は断固細野派だった。

話がそれた。続けて、やはり炎天下の日曜日。
この日もレミちゃんはジェジュンのライブに出かけ、退屈したのか、息子がキン坊連れて遊びに来た。ベビーカー押し、背中にびっしり汗かいて。ご苦労なことであるよ。

キン坊は先週会ったあたりから、時に声を出して笑うようになっていた。こうなると楽しさ倍増。なんとか笑わせようと躍起のジジババ。ふと我に返り、恥ずかしい思いにとらわれたりもするのである。世界は孫を中心に回っている。小さな世界は。