8月10日は鳩の日、しかも創業130周年だっつうんで、豊島屋ではこの日限りで、1枚入り缶セットを販売するんだと。日頃から紅谷だの豊島屋だのと騒いでいるせいか、ぼくのネットニュースにはこの手の話題が上がってくる。あと、カルディーな。
んで、今回の缶セットとはなにかというと、鳩サブレー1枚がぴったり入る4色の専用缶。何枚も入る四角い缶ではなくて、1枚しか入らない鳩サブレー型の缶。か、可愛い。ほ、欲しい。
というわけで、当日10日、土曜日。ふだんなら朝一番でジムに向かうところを、いそいそと隣街のショッピングモールへ。開店前で十分でしょ、1時間もあれば片つくでしょと思っていたらば大まちがい。甘かった。すでに数百人の列ができていた。先頭も見えなければ、最後尾も見えない。なんだこれは。すごいなビズリーチ。じゃなかった、鳩サブレー。
しかし、どんなに長い行列もショッピングモール内なのはラッキーだった。鎌倉本店なんぞは炎天下、八幡宮まで列が続いていたという。横浜そごうでも店内に並べたのは先頭集団だけだったらしい。ま、店外といっても地下街であるから、まー、なんだ。
ぼくが並んだ先には妊婦さんがいて、腰の曲がったバサマがいて、赤ちゃんを抱いた女性もいた。根性のある人たちだ。やる気満々ではないか。そんな中の一人にぼくもいるわけだが。マーロウのプリンといい、クルミッ子の切り落としといい、ぼくもずいぶん忍耐強くなったことであるよ。暇だとも。
行列もこのあたりになると買えない可能性もあると、少し前にアナウンスがあったばかりだ。一人5セットまで買えるので、皆がそれだけ買ってしまうと困ったことになるのだが、スタッフもそこまで数を読むことはできない。一応、最悪の事態を想定して警告せざるをえないのだろう。だからといって、誰も離脱したりはしない。それどころか、列はさらに長くなる。
結局、3時間近くぼくは並んだ。さすがに腰が固まった。ふくらはぎも張っている。すんなり買えれば1セットだけのつもりだったのが、並んでいる間に出たのが欲なのか打算なのか、いざ自分の番になったら2セットくださいと言っていた。笑われそうだが、息子夫婦んちに持っていこう。
中身を食べ終えた後の缶は、小物入れとしても使えるとのことだったが、さて、このサイズに何が入るというのだろうか。ドングリが入るんじゃないかとマダムは言う。いや、そんな物は集めていない。ヒマワリの種などどうか。とっとこハム太郎ならそうするだろう。文鳥の餌入れにもいいかもしれない。晴山さんはそうするだろうか。
【注】晴山さん。気象予報士。だいふくちゃんという文鳥を飼っている。