さすがに2回では語り切れんぞ

ネットにおける居場所についての第2回。

特に伝えたいことがあるわけでもなく、かなり不純な動機でほとんど一朝一夕にでっち上げられたぼくのホームページ。当初、音楽関連の読み物中心だったのだが、年ふるごとに写真の比重が増していった。

空、海、花。街、人、猫。
手当たり次第に撮っていくうち、近所の海岸に多くの猫が生息していることに気がついた。それを撮るのが、やがて一番の楽しみになった。

1年たっても飽きず、それに適した新たなカメラを求めるまでになっていた。これはもう、猫写真ブログなんぞを始めても続けていけるんじゃないかと思われた。こうして2006年に始まったのが「海猫伝説」。大手猫写真ブログがリンクしてくれたおかげで、多くの人が訪れるようになった。

写真としては拙いものだったが、1行だけ添えたキャプションとの相乗効果か、なかなかどうして人気ブログだったような気がする。余計な多くを語らなかったのがよかったのかとも思う。たとえばカモメの写真1枚載せて、「渡辺真知子が好きだった」とだけ言っておく。伝わる人にはそれで伝わる。そんな感じ。

雑誌の取材を2度受けた。台湾のサイトでも取り上げられた。写真使用の許可を求める奇特な会社も現れた。その頃が全盛期だった。閉鎖こそしていないから現在のアクセス数は280万ほどにもなっているが、その半分以上は最初の数年で稼いでいたはずである。

海岸の猫が姿を消していくのに比例して、やがて更新頻度も下降線をたどる。ホームページといいブログといい、辞め時というものをどうもぼくは知らないようだ。機を見るに敏な人なら、どちらもとっくに辞めているのではないかと思う。

そして、もうひとつのぼくのブログ。すなわちここ、「これまでのあらすじ」。始まりは2015年暮れということになっているが、前身は別の名でつづっていた日記。それは初めてホームページを作った頃から、何度か名を変え続いていたりする。

つまりぼくは、必ずしもコンスタントにではないが、20数年にわたって駄文を書き続けているというわけだ。よく飽きないものであるが、四半世紀にも及ぼうかという話は、さすがに2回では語り切れない。以下次号。

関心がよそに向かわなければという但し書きつき。