先週の、朝起きたらもう通り過ぎていた台風の時のこと。
前日夕、実は連絡を受けていた。明日は出社に及ばずと。
思わず聞き返してしまったね。へ? 終日? 午後から出社とかじゃなくて?
誰の判断なのか知らないが、こういうのを早まったというのだろう。
大雪や地震のために早じまいというのは以前にもあった。
社内が騒然としだしてから帰ってよしの声がかかるまでずいぶんと間があった。
その時の悪評に懲りたのか、今回の決断はずいぶんと早かった。
というか、早すぎた。というかミスった。わはは。
かくして思いがけない休日をばぼくは手に入れた。
月曜日。誰もがいつも通りに通勤通学していくなか、
ぼくはうきうきと映画を観に行っていたりする。
シャーリーズ・セロンの「アトミック・ブロンド」だ。
東西ドイツ統一前夜のベルリンに暗躍するスパイたちの物語。
いや、スパイというかほとんど殺し屋というか。人死にすぎ。
しかも、誰がなんの目的で動いているのかよくわからない。
説明不足なのか、理解度に問題があるのか。
が、まぁ、わからなくてもシャーリーズ・セロンが美しいので許す。
観終えて外に出てみると、素晴らしい青空になっていた。
まだ昼前。なにか悪いことをしているような気がする。
実は自分以外はみな出社しているのではないか。
妙な連絡を真に受けて休んでいるのは自分一人なのではないか。
今からでも出社した方がよくないか。いや、そこまでは思わない。
午後は本来なら猫撮りにでも行きたいところだが、
世間の人たちが働いているのに遊び歩くのもいかがなものか。
ここで「世間の人」とは正確にはマダムひとりのことである。
彼女は当然ながら朝から仕事に行った。
ぼくの会社の迂闊さを小馬鹿にしながら。まー、馬鹿にされて当然。
こうした状況で午前も午後も遊びに出るのはまずい。
その程度の分別はぼくにもある。
というか、猫撮りに行こうにもチャリが目下入院中。
クランクにがたつきが出たため、部品を取り寄せての修理となっていた。
歩きだと複数の猫だまりを回るのはさすがにきつい。
分別というより単に足がないというだけの話のような気もちょっとしている。