この季節になるとあじさいを撮りたいとぞ思ふ。
開門前から明月院に並んだ年もあれば、近所の庭ですませた年もある。今年はどこに行こうかと思案するなかで、開成町なる場所で、あじさいまつりなるものが開催されていることを知った。
開成町。どこだそれは。
調べてみたらば、足柄上郡開成町という所。キャッチコピーは「田舎モダン」。まー、自他ともに認める田舎ということですな。胸張る田舎。
で、あじさいまつり。メイン会場では県警音楽隊の演奏などとともに、「えっさホイおどり」もあるという。よさこいの小田原版。出場チームはわずかだが、贔屓の「よさこい魂 和」が出るというんで、俄然行ってみる気になった。
開成町へは小田急新松田駅からバスが出ているが、まつり開催中に限り小田急開成駅から会場までのシャトルバスもあるという。新松田はJR松田の目と鼻の先。小田原回って見ず知らずの開成まで行くよりは馴染みもあるというものだ。そちらのコースを選んでみた。
選んではみたが、御殿場線に乗り換えてすぐに後悔した。御殿場線は、乗ってもすぐには動かない。1時間によくて2本、ふつうは1本なのを忘れてた。小田原まで出て小田急乗った方が断然早い。松田桜まつりと山北よさこい以外、御殿場線は金輪際利用しないでおこうと決心。すぐ忘れるだろうが。
箱根登山バスに乗り換えて、登山もせずに開成町あじさいの里。碁盤の目のような田畑の水路に沿って、5000株のあじさいが咲いている。本来、山間の半日陰が適しているあじさいを、このような平地で育てるのは大変なのだそうだ。心して愛でる。時間はたっぷりある。よさこいまで。
こうした場所では最上と思われるみずみずしく具だくさんの焼きそばと、妙に山盛りのポテトで腹ごしらえ。歩き回って、思いがけなく猫とも遭遇。大小チビッ子たちによるジャズダンスまで鑑賞。
そして県警音楽隊の登場。これが最も人を呼ぶ演目らしい。次がよさこい。音楽隊が終わったら人も捌けるだろうから、その時には必ずや最前列を確保せねばと、演奏そっちのけで待機。ちなみに、虎視眈と言いはできても書くことはできない。
というわけで、お待ちかねのよさこい。今回の出場チームはどこも見るからに手作りの衣装で、体幹はブレブレ、一糸乱れぬなどという表現とは程遠い。けれど、楽しく踊ってくれればいい。ぼくにはとびきりの笑顔が一番だ。だから、「よさこい魂 和」が好きだ。たとえ故障で踊れなくてもMCだけでも。
総踊りを見届けてからでも、運よく最終のシャトルバスに間に合った。小田急、10分に1本あるし。御殿場線と全然ちがうし。楽しくいろいろ反芻してたら、小田原までの5駅なんてあっちゅう間だし。御殿場線と全然ちがうし。金輪際、御殿場線なんて使わない(本当か)。