祖父に望まれる節度とか

職場へは徒歩12分。いい距離だとは思うが、夏場はそれだけで大汗かいて労働意欲を失ってしまうので、もっぱら5分とかからぬ自転車通勤。ではあるのだが、先日買ってもらった日傘がうれし珍しちょい涼し、気が向くとうきうき歩いていたりもする。

自転車と徒歩ではルートがちがって、やや遠回りになっても自転車は走りやすい道を行く。徒歩だと駅ビル抜けて南北縦断。退勤するのは夕方ともまだ呼べない時間なので、あちこち引っ掛かるのもむべなるかな。百均だとか本屋とか、あと保育園とか。

そう、保育園。駅からほど近いその保育園に、キン坊は通っている。会える会えないは別にして、まー、はっきりいって会えたりはしないのだが、グランパとしてはそれでも保育園の横を通って帰ろうかという気にもなるというものだ。

と、そんなある日。お菓子の太子堂に寄り、本屋を覗き、さて今日もキン坊の気配でも感じてやろうかいねと角を曲がったその刹那、思いもかけず母親の、というか気分は勝手に娘であるところのレミさんと遭遇。

そっか。職場が二駅先まで近くなり、さらには時短ということで、お迎えの時間はちょうどこの時間になってしまうのね。というわけでオンマとハラボジ、これ韓国語な、揃ってキン坊を迎えに。オンマは知らず、ハラボジラッキー、ノムヘンボッケ。とてもハッピーということさ。

だからといって、これを日課にしようとしたら大問題。偶然の遭遇を装って保育園前を行ったり来たりする祖父。怖い。孫とも嫁とも節度を持ったつきあいが、祖父には望まれるのであった。