尿管結石で救急搬送されてから何年たつだろう。
幸いにもこの時の石は痛みもないまま自然に排出されてしまったが、
その後の検査で胆のうにも結石があることがわかった。
ただ、その程度の石は誰にでもあり、必ずしも悪さをするものではない。
痛まないのであれば、しばらく様子を見ましょうということになった。
で、ずっと様子を見ていた。
痛みが出ても、その日のうちには治まるので様子を見ていた。
さらに痛むことがあっても、年に1度、忘れた頃のことなので様子を見ていた。
かなり石が増えています、充満してますと言われても、
その日痛むわけではないので様子を見ていた。ただ見ていた。
だが2度の癌手術を経て、入院もそう悪いものではないと思えるようになっていた。
手術なんて寝てる間だ。看護師さんはみなやさしい。……ほとんどみんな。
この際、胆石も片付けてしまうべきだった。
泌尿器科から消化器内科へ。夏から秋へと、ぼくの通院は続く。
緊急でない場合、手術前にはこれでもかというほど検査がある。
CTだとかMRIだとか、やったとこじゃんと思っても、前回とは見る場所がちがっている。
さらに今回は胃カメラ、大腸カメラというのまで出てきた。
大腸カメラ!
なんでよ。胆のうと関係あんのか。
それは寝てる間に終わったりはしないだろう?
ずっと正気で耐えていないといかんだろう?
それはちょっとした恐怖であった。