二度めの入院顛末

膀胱癌の再発を疑われて2度めの入院をしたのは昨年7月のことだった。
前回親しくなった看護師さんとの再会を楽しみに準備も万端。
今回は新たにポータブルDVDプレイヤーも購入した。1万ちょいで買えるのな。
用意したDVDは「奇皇后」と「オフィスの女王」、どちらも韓国ドラマである。

あと、ニンテンドーDSとipod nano、韓国語のテキストも持ち込んだ。
そして、病室からでもブログやインスタの更新ができるようにスマホ内には加工ずみの写真。
退屈なんか全然しない。というか、むしろ忙しい。手術もあるし。

とはいえ手術は全身麻酔で行われるし、ぼくの関知するところではない。
問題は麻酔から覚めた後であるが、今回2度めということでほとんど苦痛もなかった。
その夜はさすがに寝たきりだが、翌日からは点滴、尿管付けたままうろうろしていた。
これらが付いているうちは病人らしくてよろしい。

入院後半、これらが外されてしまうと、ぼくの姿はただの怠け者のおっさんだった。
もういつ退院してもいいようだが、一般に公立病院は私立病院よりも長く留め置かれるらしい。
それでも初回より1日短い5泊6日の入院だった。

しばらく後、手術で切除された部分の解析結果が出た。
癌ではなかった。ぼくは再発していなかった。
疑惑の変色した部位は、先のBCG治療の際にできた炎症だったらしい。
だもんで、治療の必要ももうなく、4ヶ月後に再検査ということで放免。

この4ヶ月の猶予の間に、片付けておきたいことがあった。
胆石だ。始終痛むわけではないのをいいことに、これまでずっと先延ばしにしてきた。
入院・手術に慣れたところで、これをやっつけしまいたかった。
すなわち、この年3度めの入院を、ぼくはする気になっていた。