大腸カメラ顛末、その二

間が開いてしまったけれど、前回の続き。

大腸カメラ検査の結果見つかった大きなポリープ。
小さいのとちがって切除するのになぜ入院が必要なのかというと、
少なからぬ出血を伴う場合があるからとのことだった。
といきなり言われても、ぼくにだって都合というものがある。というか心構えが。
日を改めて覚悟を持って臨むことにする。

したらば、次は1ヶ月も先。
大腸カメラの予定というのはそれだけ詰まっているのである。
そうでなくても、下剤飲んでトイレ行ってカメラ突っ込んでを、
また一からやらねばならないことに思い至って初めて、
その場で切ってもらうのが賢明だったと気づく。
入院ということばにびびってしまったのだった。

ともあれ、そうして迎えたポリープ切除当日。
患部は入り口付近だとわかっているので、今回カメラは奥まで入ってこない。
ものの数分で痛みも出血もなく終了。
だが、大事を取っての入院だ。歩くことも許されない。
看護師さんが車椅子を押して迎えに来る。そんな大げさな。

あとはただもう横になって静かに過ごす。
あー、これが安静というやつなのですね。
大事を取るとはこのことですね。
翌朝解放。
これをば入院と呼んでいいのかどうか。

後日、ポリープの解析結果を聞きに行くと、あっさり癌でしたと例の若い女医さん。
あちゃー、やっぱしと思う隙も与えず言うことには、
「すべて取り切れているので、今後の治療も必要ありません」
え? えっ? それってすごくラッキーなこと?

もともと腸に異常を感じていたわけではない。
胆石の手術をするにあたり、胃カメラはともかくなぜ大腸カメラが必要なのかと思っていた。
疑問ながらおとなしく従っていたらこの結果だ。
ここで大腸カメラが省かれていたら、知らぬ間にぼくの癌は進行していたことだろう。
異常に気づく頃には、切ってそれでおしまいというわけにはいかなかったことだろう。

あるんですな。
癌でしたと言われてありがたがってしまうケースも。