左近山にいったい何があるというんですか?

左近山。
なんだそれは。日本百低山のひとつとか?
いやいや、横浜は旭区、どでかい団地のあるとこなんだと。

どうやって行くかというと、相鉄線二俣川からバス乗って。
なんだけれども、ぼくは東海道沿線住まいなので、東戸塚からバス乗って。
それも乗りなれている神奈中バスではなく、相鉄バス。

なにがちがうかというと、神奈中バスは中乗り前降りで交通系カードのタッチが2度必要なのに対して、相鉄バスは前乗り中降り。乗車時にどこで降りるか運転手さんに口頭で伝える。その時点で精算はすみ、降車時にカードをタッチする必要はない。便利なのか不便なのか、原始的なのかなんなのか、神奈中勢にはよくわからないが、まー、初回戸惑うことはまちがいない。

というわけで、左近山第2バス停。
またぞろ疑問。第2って?
なんとなれば、マンモス団地。バス停が第1から第6まであったりする。広いなどということばでは言い表せない。かような場所では、自転車なんぞでは団地から脱出できないことだろう。

そんなところへいったい何しに。
それはやね、ウチの韓国語の先生がレンタルスペース借りて、韓国カフェをやるというんだわ。3月に3回、4月にもするとかしないとか。

一度だけならこちらの都合もあるわけで。ほら、下手すると女の園におっさんひとりになるわけで。となったら、ぼ、ぼ、ぼくは大いにひ、ひ、人見知りなわけで。非常に気まずい、居たたまれない思いをするんじゃないかとか、あれこれ考えてしまうわけで。

しかし、三度あって三度とも顔を出さないのもどうか。
というか、師匠がこういうことを始めたら、弟子としては顔を出さないわけにはいかんだろ。思えば15年もの長きにわたる師弟関係。小中高よりまだ長い。

かくして訪れた左近山。マンモス団地の中のショッピングセンター。とは名ばかりのシャッター通り商店街、その中ほどのリノベされたレンタルスペース。そこだけは、まー、お洒落。しかし、周囲が。他人事ながら大丈夫かと訊きたい微妙さ。

ところで、前回の韓国語の授業で、尊敬する人は誰かという質問があった。妻です、ぼくにはもったいない立派な人ですと、さして考えなくても言えることだけ答えて逃げた。うちのマダムが尊敬に値する人であることは事実だが、もっと韓国語が堪能だったら、ぼくはこう答えたかった。

実は私は、密かに先生を尊敬しています。
15年も生徒でいることがその証拠です。
なにより人生を楽しんでおられる姿が素敵です。

これだけのことを言うのに翻訳アプリが必要なぼくは、まだまだな弟子である。