からくれなゐに水くくるとは

真っ赤な落ち葉を見かけたら拾ってみたくなるのはなぜだろう。
などといいつつ、今年も紅葉を観に三溪園へ。
近くもなければ交通不便なことこの上ないここへ、近年何度も来るようになってしまった。うまい団子のせいだろうか。人なつこい猫たちのせいだろうか。はたまた、わびさびのなせるわざか。

桜や紅葉の季節、ここでは盛んに前撮りが行われている。プレウェディングフォトとかいうやつだ。その何組かとすれ違うたび、正確にいうと新婦さんを盗み見るたび、お幸せにねと祈りながらもぼくはしっかり思っている。「エミちゃんの方が可愛い」。
エミちゃん。誰だそれはという人に教えよう。息子の嫁だ。可愛くてしょうがない。お父さんなどと呼ばれると、だははと溶けてしまいそうになる。まー、向こうからしたら、お父さん以外に呼びようもないのだが。

三溪園の後は、たいてい横浜そごうに寄る。
以前は毎月どころか隔週、下手をすると2日続けて散財しに行ったものだが、コロナによる自粛と退職とが重なって以降、めったに足を運ばなくなってしまった。
今やこんなついででもないと、横浜へもそごうへも行く機会がない。寄ってもせいぜい食事をするだけなのだが。着ていく所ももうないので、新しい服が欲しいとも思わない。リタイアするとはそういうことでもあるのだ。……新しいカメラは欲しいけどな。

そして翌週。
そうでなくてもまさにその日買う気満々でいた漫画「ちはやふる」、完結記念の広告が新聞に載っていた。下に小さくではない。全面だ。
前にもあったな、こういうの。そだ、「鬼滅の刃」1億冊突破記念。ぼかぁ、禰豆子のそれを飾るあてもないまま取っていたっけな。

とまれ「ちはや」新聞広告。
うちに入った広告に描かれていたのは美少年キャラ、太一。
とすると、これは当然他のキャラのもあるのだろう、どうせだったら千早や詩暢ちゃんのが欲しいじゃないか。調べてみたらば、「鬼滅」のように主要紙に振り分けてではなく、すべて朝日新聞、地域別に10種の広告があるという。うむむ。

その日はおとなしく最終巻を読むだけにして。
というのは嘘で、話を忘れているので直前の49巻をも一度読んで二度泣いて。
そいで最終50巻でも当然ながらぐっときて。番外編の花野さんにも泣かされて。
で、翌日になってもまだ新聞広告のことが忘れられず、あぁ、そうとも、買いましたよ。買ってしまいましたよ、メルカリで。ポイントで賄えたので。あいや、ポイント足りなくてもきっと。

というわけで、おまけの1枚。息子夫婦。
自慢のふたりだ。大好きだ。親が自慢できなくてどうする。