リンダにまつわるいくつかのこと

昨年の公開時、観に行こうかどうしようか、行くとしたら横浜(といっても最寄り駅は黄金町、阪東橋、あるいは徒歩15分の関内)か本厚木か、などとうじうじ考えている間に終わってしまった映画「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」を、楽天TVでやっと観た。

リンダ・ロンシュタット。
ファンというわけではなかったが、彼女がぐいぐいのし上がっていった時期が多感な学生時代と重なっていたこともあり、なにかと気になる存在ではあった。なにより魅惑的な容姿だったので。思わずジャケ買いしてしまいそうになるほどに。

70年代後半のその頃、レコード屋だとか音楽喫茶だとかには、しばしば彼女のアルバムジャケットが飾られていた。『風にさらわれた恋』とか『夢はひとつだけ』とか。それを横目にぼくはといえば、ニコレット・ラーソンやフリートウッド・マックを買い込んでいたのだが。

ともあれ、リンダのドキュメント映画である。ポップスの世界で頂点を極めた後、カントリーやメキシコ音楽をやっていたのは知っていた。というか、エミルー・ハリスらと組んだカントリー・アルバムは鳴り物入りで、思わずぼくも買ってしまった。その後だ。ジャズやオペラや、マリアッチ楽団を率いてツアーするまでに彼女は手を広げていた。型に嵌まらず、一つ所にとどまらず、括ることのできない人だと知った。なんだか凄い。凄かった。その信念には畏敬の念すら持ってしまうのであった。

そして、リンダの次はリンダリンダ。
ザ・ブルーハーツの曲である。であるが、正直なところぼくはブルーハーツにはさして思い入れがない。年齢的というか世代的というか、この時期、日本のバンドをあまり聴いていなかった気がする。しいていえば、レベッカ? それも「フレンズ」だけで話が終わってしまうような。うむー。

というわけで、リンダリンダの次はリンダリンダリンダ。
2005年公開の日本映画である。映画館で2回観て、サントラもDVDも購入した。急遽編成された女子高生バンドの、文化祭までのほんの数日の物語。ひょんなことからこのブルーハーツのコピー・バンドに参加することになったのは、韓国からの留学生。彼女の加入から話は俄然おもしろくなるのだが、これを演じたペ・ドゥナにすっかりハマった。ぼくの韓国ドラマ遍歴は実にここから始まるのだが、それはまた次の機会に。